この本は今、評判になるだけあって、とっても面白い。二重丸です!
無名の公立高校野球部の女子マネージャーがふとしたことで、経営学の神様である、かの有名なドラッカーの名著「マネジメント」に出会うことから、この物語は始まる。そしてその教えを野球部のマネジメントに活かして、ついには甲子園出場を果たす。物語としてはちょっと荒唐無稽だけれども、その甲子園出場までのプロセス、人間模様の一つ一つは経営の本質を突いていて中身はとても濃い。しかもちょっぴりホロリとさせられ、物語としてのスパイスも効いているからタマラナイ。
企業だけでなく、役所、軍隊、NPOなど一つの目標のもとに人が集まったあらゆる組織にとってマネジメントは不可欠です。これは私自身が持ち続けてきた思いでもあります。それをこの野球部で証明してくれたのです。これを読んで自分の組織の現実に愕然とする読者も多いのではないでしょうか。
まず野球部とは「顧客に感動を与えるための組織」だということから、私の「ナルホド」は始まった。そしてチームのメンバーとの個別面談で野球部に何を期待するかの「マーケティング」に取り組んだ。そしてこれまでの野球の戦術に一石を投じる、野球部としての「イノベーション」まで出てくるから驚きだ。マネジメントで重要なのは「人を生かすこと」と、それを実践するくだりは妙に説得的だ。霞が関の某役所の官僚たちからは「是非うちの大臣にも読んでもらいたい」との声が聞こえてきそうだ。