有名なセベランス病院を視察しました。外来患者が1日6500名、2000病室ある大病院です。予約はオンライン、電子カルテ、レセプト請求の電子化は100%という、まさにe-ホスピタル。
患者はスマート・カードの使用でスムーズの病院内を誘導されている。クレジット機能もあるので、これで支払い、支払われた医療費情報は税務署とオンライでつながっている。その結果、日本のようなレシートを張り付けるような面倒な医療費控除の手続きは不要だから驚きだ。
診察室ではPACS導入で、パソコン画面で高画質のレントゲン画像を見ている。手術の待合室では手術を受けている患者の家族らがモニターを見て時々刻々と送られてくる手術経過情報を見入っていた。何も知らされずに不安そうに待っている日本の家族たちとは大違いだ。
ロボット手術室も前立腺手術などで有名で、アジア最初のロボット手術のトレーニングセンターが作られている。
この病院は国際医療認証のJCI(Joint Comission International)を取得している。これを取得している病院は世界で179病院しかなく、日本にはない。2000病床以上では世界唯一だ。このステータスが海外から患者を引き付ける。現在年間3万人が海外からで、10年後には30万人を目標としている。一病院でこの数だから、唖然とさせられる。VIP用の病室は個室内に応接室、会議室まで附置されて、まさにホテルのスイートルーム。国内外の富裕層向けである。
この病院のほかにも、金浦空港のすぐ傍にあるウリドゥル病院は世界最高水準の脊椎専門病院として有名で、米国、中国、日本から患者を引き付けている。
日本でも今、地域活性化策として医療ツーリズムが注目されている。先日の新成長戦略でも国際医療交流として外国人患者の受け入れを推進して、2020年には高度医療・健診でアジアトップ水準を目指すという。そのためにはまず隣国・韓国に相当後れを取っている現実を直視して、電子カルテ一つとっても、10年前から言われていても実現しない根本問題に早急に取り組まなければ、また掛け声倒れに終わりかねない。